──ピーンポーン。 「はーい?」と掬恵の母親の声。 「あの、坂口です……」 少し驚いた表情の掬恵の母親が笑顔で玄関から迎える。 「もうー、ごめんね!掬恵、重たかったでしょー。玄関の床にでも転がしといて……。はははっ」 ──吉井さんのお母さんの言う通りするわけにはいかないので、 眠っている吉井さんを案内された寝室へ運び、 僕はそのまま自宅へ帰った。