ニッと意味深に笑いながら近づく掬恵の母親。







「で、見なれない……、この蝶の髪飾りはどうしたの?」







「もらったの。……もう、いいでしょ!!」







母親からこれ以上質問攻めにあうのがこわくなって、逃げるように家を飛び出した。







私のお誕生日、両親のいない家で坂口くんと二人きりでお祝いをしていたなんてまだ恐くて母親に話をしていない。