「ぼくは……、確かあの時──。吉井さんに待ち受け画面にしてもいいのかきちんと確認をとったはずなんだけど……」







「そ、そんなはずはない……!」







何度も同じ会話を繰り返す周翼と掬恵。








あの時、周翼が掬恵に確認を取っていたのは確かだ。







このまま喧嘩に発展させたくない、そう思った周翼は掬恵にある交換条件を出そうと思った。







くしゃっと折り目がたくさん付いたルーズリーフをポケットから取り出して広げる。







いつか見たことのあるこのルーズリーフ。







見覚えのある6個の絵。







・小さな魚




・プリンを逆さまにしたような山の絵




・ボーリング




・映画館




・カラオケ




・飛行機






全部の絵は凄く上手いけれど、私のこの手の親指の爪の中に収まるサイズの小さな絵。







こんな時にいったい何を始めるんだろうと掬恵は口を閉じて静かになった。