周翼の顔を見て冷静になる掬恵。 ──大変なことに気がついた。 突然、坂口くんが来たものだから……。 まさか、お祝いをしてくれるなんて予想もしていなかったし。 私は、坂口くんに何もお誕生日のプレゼントを用意していない。 というより、最初から用意をするつもりがなかった。 私、何も買ってないよ、ごめん、坂口くん。 どうしよう……。 頭の中、焦る。