髪飾りを手の平へのせてまじまじと見ている掬恵。
──こうして手の平にのせていると本物の揚羽蝶みたで、今にもひらひらと飛んでいきそう。
「凄く可愛いね、ありがとう!」
掬恵が嬉しさ溢れる可愛い笑顔で笑った。
掬恵の表情を見てホッと安心をした様子の周翼。
「喜んでもらえて、本当に良かった。もし……、その髪飾りを気に入ってもらえなかったら、どうしようかと思っていたんだ……」
「男の子から、こういうプレゼントを貰うのが初めてで凄く嬉しいの。揚羽蝶の付いた髪飾りって、珍しいね。どこのお店で見つけたの──?」
「完全、オーダーメイド!」
「じゃあ、オリジナル?」
「うん、たぶん世界で一個しかないよ。それに、地球上を探しつくしたとしても、同じ物はないと思う」
「世界に一つしかないものかぁ……」
「だって、僕が知り合いの職人さんにお願いをして、僕が一ヶ月かかって教えてもらいながら作った物だからね」



