少し間をおいて掬恵が思い出す。 あっ、そうだ。 私が間違えて、……坂口くんに写真を送ったんだった。 うっかりな、私。 小さな握りこぶしで頭をコツンと軽く叩く掬恵。 私は本当にドジなんだ……。 こんな性格が時々自分で自分を苦しめる。 胸の奥から小さなため息が一つ出る。 でも、良かった。 間違えて写真を送った先が、坂口くんで。 “あんな写真”ホント誰にも見られたくないもんね──。