──静かな家。
何をするというわけでもなく、ただぶらぶらと少し家の中を散歩する。
陽が差し込む台所のテーブル。
ついさっきまで家族皆で朝食をとったこのテーブル。
掬恵がテーブルの表面を軽く手で撫でる。
なんだか寂しいね──。
これから、昼食と夕食、それに明日の朝食と昼食も一人だ──。
掬恵が「はっー」と小さなため息を一つく。
一人が恐いんじゃない。
自分が想像をしていたよりも一人ぼっちは意外と孤独で心細いものなんだと感じた。
椅子に腰を掛けて、籠に入っている醤油煎餅を一枚取り出しバリバリと音を立てながら食べる掬恵。
そういえば、私と誕生日が一緒の人がいたな……。



