自己紹介が回ってきた。




坂口くんが立ち上がり少し恥ずかしそうに周りを見渡しながら軽く会釈をして、机に目線を落としながら自己紹介をし始める。





「……坂口 周翼です。好きなスポーツはサッカーです。中学の時は、三年間サッカー部に所属をしていました。……よろしく」






静かに席につく坂口くん。





──次は、私の番だ……。






手に汗を握る、緊張し過ぎて息の吸い方を忘れてしまいそう。






ドキンドキンという心臓の鼓動の音が頭のてっぺんまではっきりと伝わるのが分かる。





「よ……よよよっ、吉井…… おっ…お掬です!」






“オキク”って……。






──吉井 掬恵です、というつもりだった。





爆笑の嵐。






恥ずかし過ぎて顔が真っ赤な私、泣きそう。






自己紹介、名前だけ言ってとりあえず席についた。