君だけに、そっとI love you.






誰かが机を強くバンッと叩く音で、教室が一瞬で静まり返った。







机を叩いたのは、坂口くんだった──。







すると、坂口くんは自分の席から立ち上がり動揺をしている私のそばへすぐ来て「行こう!」と一言いい私の手をそっと引いた。







手を握ったまま走り出した坂口くんが連れて行ってくれた場所は……、なんと驚くことに──。








坂口くんの家、つまりお寺だった。








そして、坂口くんの家へ来たのは初めてだった。







坂口くんが手を引きながら大きな池に案内をしてくれる。







広い池に淡いピンク色の蓮の花が幾つか綺麗に咲いているのが見えた。








幻想的で、私は思わず「きれい──」と口から言葉がもれた。






そして、そこにいると、時間が経つにつれて何故か不思議と学校を勝手に抜け出した恐怖感と罪悪感は自然と薄れていったのだった。