「そ、それは……。私が学校から帰ったらきちんと話をするから……。とりあえず、早く私病院にいきたいの」





「順番が違うでしょ?普通は学校に行く前にきちんとまずは親に話をするでしょ!」





「話したくないの……」






「お母さんに話せないようなことなの?」





と、その時、掬恵の母親の目に掬恵の父親が持っていた縦に二つ折れになった新聞紙の下の方の雑誌の広告の見出しが目に飛び込む。




“未成年の妊娠!”






ま、まっさか……ウチの娘に限ってと青白い顔になる掬恵の母親。






状況を掴めない掬恵の父親は新聞を持ったままきょとんとした表情で掬恵と掬恵の母親の様子をずっと見ている。






娘の話を聞く心づもりが出来た掬恵の母親。






「わかったわ、……掬恵。後で、お母さんと二人でじっくりと話をしましょ。そうね、……話しにくいことよね」







「うん、まぁ……」