君だけに、そっとI love you.





掬恵は自分の鼻の穴から少し生暖かい物がゆっくりと時間をかけて出てくるのを感じた。







なんだ……、鼻水か。






こんな時に、恥ずかしい──。






掬恵は周翼から受け取ったティッシュで急いで拭き取った。






ティッシュを良く見ると鼻水ではなく赤い血が付いていた。






目を大きく見開いて驚く掬恵。






鼻水じゃなくて、鼻血。





やだ………………。





くるんと周翼に背中を向けた掬恵。





想像妊娠ならぬ、想像ご出産をした私。






本当の出産なんて、きっとこんなどころではないはず……。





小さく丸めたティッシュを恥ずかしそうにしながら素早く鼻の穴に積めている掬恵。





心配をしている周翼が掬恵の背中を軽く指でつついた。