本当は出たくてたまらなかったはずなのに、その気持ちを抑えて抑えて出なかった だって、出てしまったら、声を聞いたら、離れられなくなってしまうから 「麻波! 昨日一緒に帰らなかったの!?」 あっちゃんは教室に入ってくるなり、一番に大きな声で信じられないと叫んだ わたしはそっと目を伏せて、昨日のことを話す あっちゃんは険しい顔で、時々うなずきながらわたしの話を聞いてくれた 「……それ本当だと思うの?」 あっちゃんは少し怒っている様子だった