「まぁ今日は諦めたら?女子バンガローに帰るのは。」



「ええっ?!なんで…」




「確かに。今出たら見回ってる先生に見つかる。」




そこで私は言葉につまった。




確かに見つかるのは困る…




「雛にはメールしといたから安心して。それに運のいいことにこのバンガローには僕と岬君しかいないし。」





高山はそう言うとニコッと笑った。






…意外と頭いいんだよね。このヒト。









「槙谷…今日はガマンしてくれるか?」





「う、うん…」




私は諦めて頷いた。





あとはもう寝るだけだし…まぁしょうがないでしょ。








…ただ。



「…」




さっきから高山の視線が刺さって痛い。




何か…探ってるみたいな…




それだけが少し気になった。







布団を引くと私達は川の字になって寝た。




私は配慮されて端っこだった。





隣には…岬。





さっきの告白のこともあってかすごくドキドキする。





私達、本当に両想いになったんだよね…





私は眠っている岬の横顔を見ながら微笑んだ。











…そんな時。





「なぁに人の顔見て笑ってるの?気持ち悪いなぁ。」




そんな毒舌をかますのは…高山だった。





一番遠いところで寝てたはずなのになぜか今、私の隣にいる。





「なっ…!!気持ち悪いってひどくない?!」





「いやいや気持ち悪いでしょ~…浮かれるのもわかんなくはないけど。」





…は?




「な、なんで浮かれてるってわかって…」





「え?両想いになったんじゃないの?岬君とさ?」





私は愕然とした。





高山には…全てお見通しみたいだった。