岬side



俺、最近おかしい…




薄々、自分でも気づいていた。




俺は誰にも関与せず、一人で生きていく…そう決めたはずなのに。





「なんでこんなに槙谷のことばかり…?」





俺は自分の意思を確認するようにつぶやいた。




槙谷が言ったことは正直図星だった。





最近、確かに上の空だし…





でも。








『何考えてんのか知らないけど集中して部活に取り組みなよ?』









あの言葉はきつかった。




お前のことを考えてるっていうのに。




なぜ…部活の方を考えろなんて言われてしまうのか。




だから俺はつい言葉を漏らしてしまった。





色んな気持ちが交差して。




余裕に言って見せて…内心はぐちゃぐちゃだった。









部活へ行くと



「岬君。」




亜美さんが心配そうな表情を浮かべながら駆け寄ってきた。





「大丈夫?…また悩み事?」





「いえ…大丈夫です。」





俺はそう短く答えると部室へと向かった。









____俺は槙谷に対してどんな感情を持っている?





俺は自分に問いただした。




すると、案外答えは早く出てきた。














俺は…





____いつでも真っ直ぐで自分に正直な槙谷が好きだ。






そう。俺は…槙谷に恋をしているのだ。




誰とも話さず孤立していた俺に声をかけてくれた。





自分の意見を素直にぶつけてくれた。





俺を…真っ直ぐ見つめてくれた。




そんな槙谷をいつしか俺は好きになっていたんだ。