「先生!終わりました!!」



私は一人で職員室へ終了の報告をした。



岬はへとへとになってすわりこんでしまったためだ。



男のクセに軟弱だ。



「槙谷…お前は責任感が強いんだな。」



いきなりそんなことを言い出す先生。



「責任感…ですか??」



「ああ。お前、まかせられたらちゃんとやるだろ?この雑用係みたいに。」



私はうーんと考える。



そうなのかな…??



まぁ今日はほとんど岬がやってくれたけど。



「そこでだが…お前、今度のキャンプの実行委員の委員長やってみないか?」



…いきなり告げられた言葉。



それはあまりにも大きな仕事で。



「じ…実行委員長?!キャンプの?!」



「ああ。やるか?」



キャンプ…たくさんの思い出ができる大事なイベント…



「か、考えます…」



「ああ。いい答えがでるのを期待してるぞ。」



そう言い先生は私の背中をたたいた。





「遅かったな。何か話してたのか?」



帰ってくるなりそう聞いてくる岬。



「うん…あ、ねぇ。岬。」



私は岬の目を真剣に見つめた。



すると岬は少し身を引いて顔をしかめる。




「私…責任感、強いと思う?」



そんな質問に。


岬は最初、理解できなかったのか目を丸くしたが…



少ししてようやく頭に回ったのか呆れたように首をふって



「お前それ、本当にあると思って言ってるのかよ?」



と言うため私はムッとして



「先生が言ったの!私、責任感強いからその…」



私はそこまでで言いとどまってしまった。



岬は何だ?と言うように私の顔をのぞく。



「その、キャンプの実行委員の委員長にならないかって…」



なんだか恥ずかしくなって私はうつむいた。



すると…岬は腹をかかえて笑い出した。



…ってか岬っていっつも突然笑うよね。



そんなことを思いながら私は彼を見つめた。




岬は笑いすぎたのか涙をふいて



「ああ…いいんじゃないか?…実行委員長。」



そう言われ…なんだか認めてもらえたような気がして




「じゃあ私やってみる!!」




と笑顔を向ける私だった。