二宮くんはいつもの声で言うと、充電器からスマホを取って、リビングから出ていってしまった。
ふ……ふつうに、返してくれた。
あれ? これって、ほっとしていいの?
昨日のことを忘れてる……なんてことはないよね?
身支度を終えてリビングにもどってきても、二宮くんはいつもと変わらない態度で。
ふたりでダイニングテーブルで朝食をとりながら、つい向かいの二宮くんを見つめてしまうあたし。
……今日も神々しいほどのイケメン。
さすが王子さまです。
からになったコーヒーカップを持ったまま、じーっと視線をそそぎ続けていると。
「……なに?」
気づいた二宮くんが、問いかけてきた。