わこちゃんが、つかつかと俺の前までやってくる。


「お客さんいないのにおネエ言葉だし、さっきからずーっと鼻歌歌ってるし、ニヤニヤしてるし……」


「……いいじゃない、ご機嫌エブリディ」


「ほら、おかしい」


ずっと不機嫌よりいいじゃない、と言い返そうとしたのだけど、そうすると

『今、俺、ご機嫌です!』

と、宣言しているようなものなので、ぐっと我慢する。


「ご機嫌エブリディアーンドゥエブリタイム!ハハ~ァン?」


「……ん、もうっ」


話にならない、と思ったのか、わこちゃんはプリプリしながら元の位置に戻る。


どうにも、俺の周りの女子は気性荒めが多い気がする。