鍋島岸へ無事上陸すると曾根崎川に架かる蜆橋を渡ろうとしたところで、相撲取りとすれ違った。



芹沢「そこをどけ!」




力士「……断る。田舎侍に道を譲るわけにゃいかなねえ」




芹沢「何だとっっっ!!!!口で言って分からん者はこうしてy…」






絵美「待ってっっっっ!!!!」





芹沢さんが鉄扇子で力士を殴る寸前で間に入った。



絵美「病人がいるんです!急いでいるので申し訳ありませんが道をお譲り下さい!!お願いします!!!」



力士「その髪の色……」




絵美「…っ……。気持ち悪いですよね…、不快な思いをさせてしまっていたらごめんなさい。でも私達急いでるんです!!お願いします!道を開けて下さい!!」



力士「美しいな……」




絵美「え……、あ、ありがとうございます…」




その後、力士達は快く道を開けてくれた。




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永倉「くぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!やっぱ酒はうまい!!」




宿に着いた私達は芹沢さんが持ってきたお酒を呑んでいた。



沖田「あれ、絵美さん呑まないんですか?」



絵美「私、呑んだことないんですよ」



永倉「少し飲んでみろよ、美味いぞ」



絵美「じゃあ……少しだけ…」




グビクビグビ



永倉が注いだ酒を一気に飲むとお猪口は私の手から滑り落ちた。




コトンッ






永倉「どうだぁ絵美、酒は美味いだろ?」





絵美「……………ふざけんなっっっっ!!」





全員「ビクッ!」






絵美「私が何したんだよっっ!!!!皆が勝手に私を贔屓しただけだろ!!だったら贔屓してる奴を責めろよ!!!」





全員「………………」





絵美「大体ねぇ、私は贔屓されることなんか望んでないの!!それなのに!あいつらは私を痛めつける!!私……関係ないじゃん…」




芹沢「……………」




絵美「妬むならさ、努力してみんなののお気に入りになれば良いじゃん。私に当たんなよ……。強くなりたい……。あいつらに負けっぱなしなんて嫌だよ……。もう……、泣きたくない。殴られたくない。疲れたよ……」




コトンッ



絵美の初めて吐いた弱音を聞き終えると芹沢は猪口を置き、絵美を見つめた。




芹沢「お前、強くなりたいのか?」




絵美「……え?」




芹沢「お前は強くなりたいか?」




絵美「……はい」




芹沢「もう負けたくないんだろう?」




絵美「…はい」




芹沢「お前を痛めつけた奴らを倒したいか?」




絵美「はい!!!」




芹沢「お前は、どんな辛い練習も乗り越えられるか?」





絵美「はい!!!!」





芹沢「……ふんっ。京に戻ったら覚悟しておけ。辞めたいなんて言わせぬからな」





絵美「ありがとうございますっっっ!!!」





沖田「良いんですか?女子に剣を教えて…(ボソッ」





永倉「絵美がやるって決めた事だ。良いんじゃねーの?(ボソッ」





沖田「絵美さん!なら、私も……って寝てるし!!!」





永倉「今日は大分疲れてるだろう。寝かせてやれ。酒も入ってるし…」





沖田「どうしたんですか永倉さん。珍しく優男じゃないですか」




永倉「俺は常に優男だ!!」




沖田「さてと、僕も疲れたし。寝ましょうかね」





永倉「人の話を聞きやがれーーーーー!!!」





芹沢「騒ぐでない!!!」





永倉「……………スイマセン」