でも、その日は突然やって来た。



「さよなら。また会う日まで。」



中学3年生のとある冬の朝。
目を覚まして寝返りをうったとき、顔に1枚の紙が貼り付いた。
引き剥がしてメッセージを読む。
変なクセの全くない、お手本のような字が紙に並んでいた。
それは数式が並んだあのルーズリーフを書いた人のものだった。


“さよなら”


涙が次から次へと溢れてくる。
たった一言なのに。
切なくなるのは、どうして?



それから、わたしが優人に会うことはなかった。