葉月と俺は目配せすると、葉月も俺の横に立った。
ババァは自ら心臓部にダガーナイフを固定させると俺ら2人を抱きしめた。
「お母さんッ…」
「ありがとうな。」
抱きしめたコトによって刺さったナイフは深く刺さり、俺らはババァ…母親の腕の中にいた。
「嵐、葉月、すまなかったな。
俺からも今部屋にある物は少しでも持って行ってくれ。」
今度は俺らの額に口付けを落とすと
「さぁ、成敗だ。」
両手を広げた。
「お父さん。ありがとう。」
そう言って葉月は刺した。
「嵐。こんなに温かかったんだね。」
「あぁ、」
見習いの奴らに後片付けを頼み俺らは2階のあの部屋に来た。
葉月が欲しいって言ってた黄色いクマの大きなぬいぐるみに黒い猫のぬいぐるみ。
赤いスカートに今からでも着れる洋服が沢山。
俺も欲しかった懐かしいオモチャや、洋服などが置いてあった。
それを袋に詰めた。
そして、いつも見てた窓側に俺たちの寝顔と一緒に写ってる安心した笑顔の両親。
「後悔はしねぇ…んだょッ。」
だから今だけ泣いていいよな。
生まれた時からの写真からあの最後の日の写真まで、
1枚1枚ではないけどコメントが多くの写真に添えられていた。
「うぅ〜ッ」
2人写真を見ながから涙を流していた。
痣が写ってる写真には
“日に日に増える痣に、虐待に耐えるこの双子を誰か助けてあげてください。”
“ゴメンね。愛おしい子達。”
クソだろうがよ。
そして、1番最後のアルバムにはそれぞれの通帳と母子手帳。そして、手紙。


