「まま辞めて!葉月を虐めないで!」



俺はそう言って葉月とあの女の間に入ったんだ。






葉月の黒髪はボサボサで頬を赤くしていた。







「そう…良かったじゃない葉月。嵐が身代わりになってくれるって。」







そう言って葉月にニタアっと笑いかけると俺の方を睨み殴った。










「ッ!」






あまりの痛さに泣きそうになったがここで泣いたら葉月に悪い。







「らんっ!」





鈍い音と一緒に聞こえたのは俺の名前を叫ぶ葉月の声だった。





その日から2人交互でもなくどちらか一方的に受けるようになった。







幼稚園保育園は辞めて小学校も週2回と少なかった。









小学校に上がる前からあの女の男も加わった。







やっぱり女性と男性で見ると男性の方が力が強く、葉月を庇うのに必死だった。






「あんたたちがいたら私たちは仕事が十分に出来ないのよ。あんなにやり甲斐もあって楽しかったのに十分に出来なくなって行く気も失せたわ。それはあんたたちの所為だからね。」






何だよそれ…




「ままに負担掛けるんじゃないと何回言ったら分かるんだ!まだ分からないか。お前らは要らないんだ。」






それに便乗して殴る男。







「らん…怖いよ。もう痛いのヤダ。」





日々殴られる俺らは全身痣だらけで窓から見える外の子どもたちが羨ましかった。