「あーぁ、見せちまったな。
ついでとは言わねぇけど俺と葉月の過去大雑把には知ってるだろうが…詳しく話すよ。」







まさか自分たちから言い出すとは思ってもいなかった。




嵐は思い出す様にポツリポツリと話し始めた。










「あれは俺が…」








俺が9歳のとき施設に入れられた。






兄妹の体の至る所にある痣や打撲傷が目立つ様になったからだ。











それで周りの目が気になった両親は俺ら双子を冬の真っ暗な夜施設の前に置いて行った。








そんな俺らは生まれてから兄妹愛しか知らなかった。






お互いを守り守られ、大人が俺らを庇うコトなんて無かったから。











「ねぇ、何で生まれたのよ邪魔なの。」







「まま?どうしてそんなコト言うの?」








「あんた達が嫌いなの!」






そう言ってあの女は葉月を突き飛ばした。







唐突のコトだったし言葉を覚え話せるようになったばかりの俺らにはまだ認識するコトは難しかった。










その日を境にまず、葉月が叩かれたり蹴られたりが始まった。