「ほら、これよりも私の方が似合う」 自身に付けた指環を月光に照らすようにして輝きを確認する。 「私の方が、いい女」 ひとり、満足気に頷くとただ無言で横たわる彼氏の衣服に手を掛け、一思いに裂く。 「……」 月光で照らされた体幹は同じ人間とは思えない程にしっかりしたもので、この丈夫な体で幾人もの女を手籠めにしたのだと思うと、喜びにも似た嫉妬が背筋を駆ける。