冷たい。 人間とは思えないような冷たさのものを、今私は触っている。 「……」 酷く無機質で私の息以外の音が聞こえない部屋の中、私はただそれを触る。 「……」 もうどのぐらい時間が経ったのだろう、無機質な室内と無機質なそれがじわじわと私を追い詰める。 「……」