─バタバタバタバタ……


「───桃花。洗濯物はまだなの?」


「ただ今持って参りますっ」


「桃花ぁ~。ヒロくん泊まるからベット運んできなさいよ。あ、9時ぴったりにね。」


「はいっ。9時に持って参りますっ」





毎日毎日、パシりにされてる私。

基本的な料理、掃除、洗濯、買い出し等の家事から、時には100㎞も離れている隣町まで買い出しに連れ出されたりと……



正直

もう、うんざり。




音羽 桃花。

それが私の名前。



そして“御堂”。

これが、
この屋敷に住む2人の名前。




そう───。

私は、この家の者では無いのだ。



それこそが、パシりにされてる理由なんだけれど。