命の携帯には、いくつか着信があった。

「迷惑メールは、なし!!っあ、“タッカ”からメール来てる。」

“タッカ”は、命のクラスメートであり…親友だ。

アイドルをしているが、彼等はれっきとした高校生でもあるのだ。

“タッカ”こと、田中 厚子[たなか あつこ]は命の初めての友達。

命は小さい時から、周りとは少し違っていたため、心から信頼できる友達が高校に入るまでいなかった。

すじの通った高い鼻、ベリーショートの茶色っ気がある髪の毛、薄くのびた桃色の唇。

凡人よりも、はるかにルックスが良い命は、中学生の時にスカウトを受けた。

事務所に入ってからは、超絶多忙な日々を過ごしていた。

「…ん、なになに。“今日はコンサートお疲れ様!!これからそこの近く通るから、迎えに行こうか?”」

 タッカは優しいな…。絶対、こっちで遊びたいだけだと思うけど(笑)

厚子が迎えに来る時間まで、メンバーと話をする事にした。