クリスマス仕様で賑わう街並み。
至る所で奏でられる音楽。
楽団の第九コンサートを終えて、通りへ出た詩月は、コートの襟を立てる。
ミヒャエルがバイトする居酒屋へ急ぐ。
冷たい風が、容赦なく吹きつける。
「夜通し酒場で」と言い出したのは、ミヒャエルと酒場のマスターだ。
1週間前。
詩月が郁子にピアノの進捗状況とクリスマスイブ当日のスケジュール確認をメールで尋ねた後だった。
「詩月、イブの予定は?」
「8時まで楽団の第九コンサート。その後……」
詩月は郁子とネット電話越しに、ピアノとヴァイオリンの二重奏をする約束をしていることを話す。
時差が8時間あり、こちらから何時に電話するか迷っていることを告げた詩月。
「毎年イブは夜通し、ビアンカの弾き語りや客の演奏とか歌で、賑やかに飲み明かすんだ」
マスターが言うと、カウンター席で飲んでいた客が、グラスをコトリ置き、詩月を見た。
至る所で奏でられる音楽。
楽団の第九コンサートを終えて、通りへ出た詩月は、コートの襟を立てる。
ミヒャエルがバイトする居酒屋へ急ぐ。
冷たい風が、容赦なく吹きつける。
「夜通し酒場で」と言い出したのは、ミヒャエルと酒場のマスターだ。
1週間前。
詩月が郁子にピアノの進捗状況とクリスマスイブ当日のスケジュール確認をメールで尋ねた後だった。
「詩月、イブの予定は?」
「8時まで楽団の第九コンサート。その後……」
詩月は郁子とネット電話越しに、ピアノとヴァイオリンの二重奏をする約束をしていることを話す。
時差が8時間あり、こちらから何時に電話するか迷っていることを告げた詩月。
「毎年イブは夜通し、ビアンカの弾き語りや客の演奏とか歌で、賑やかに飲み明かすんだ」
マスターが言うと、カウンター席で飲んでいた客が、グラスをコトリ置き、詩月を見た。