__昼休みが終わってからの授業は、正直上の空だった。
授業中、私はポケットの中のくしゃくしゃになったメモをしきりに眺めていた。
放課後になったら、あいつに会うんだ。
昨日の事がなかったら、高坂の事なんて考えもしなかっただろう。
ただ適当に話を聞いて、委員会が終わるのを待つだけ。
でも今日は、そういうわけにはいかなそうだ。
キーンコーンカーンコーン
空っぽの脳内に、6限の終わりを告げるチャイムが響いた。
掃除当番以外の生徒は、皆一斉に帰り仕度を始める。
幸運なことに今日、私は掃除当番ではなかった。
私も帰り支度をして、HRまでの時間を潰した。