俺にも見せたことのない表情で、優愛は駒谷を見つめていた。

優愛は駒谷のことが好きなんだと、俺にでもわかるくらい幸せそうで。

ぎゅっと握られた手が、笑顔が、声色が。

全てが俺を絶望に突き落す。

信じたくない。

でも、きっと

俺が悪いんだ。

俺が、駒谷より劣っていたから。

優愛が寂しくない様に、いつでも頼れるように一緒にいたつもりだ。

でも、足りなかっんだ。

さびしい思いさせてしまったんだ。

それで駒谷に頼ったんだろ。

全部俺のせいじゃないか。

優愛はなにも悪くなんかない。

優愛。

君はそれで幸せ?

だとしたら俺はかまわないよ。

本当に好きだから。

それが俺の幸せだから。

そうだ。

そう思えば俺も優愛も救われる。

でも、

もう少しだけ



_好きでいさせてください。



俺は優愛に背を向け、反対側の道から家へ向かった。