「じゃー、いっちょ楽しむかー!!!」
『おー!!!』
各々がわいわい雑談したあと、駒谷の掛け声で出店巡りが始まった。
「俺は女の子が行きたいとこに行くで。」
「えー、じゃあ私あんず飴食べたい!」
「えー。あんなべとべと歯にくっつくやつ、何がうまいねん!」
「なによ、晴ちゃんがどこでも良いって言ったんでしょ!!」
ギャーギャーと言い合う未来と駒谷。
楽しそう。
「茅先輩だってあんなん嫌やろ!なあ?」
「俺は結構好きなんだけとな。」
「ほら!決まり♪」
「嘘やろ!?」
私たちは嫌がる駒谷をよそに、あんず飴の屋台に向かった。
愉快なおはやしに力強いお神輿のかけ声。
夏の暑さにも負けないくらいの熱気が感じられた。
お祭りは駅前から、神社までわりかし長い距離に渡って開かれる。
こんな町にしては大層なもので。
本堂前の狭い参道は、毎年多くの人で埋め尽くされるのだ。
みんなが本堂を目指しながらぶらぶらと屋台を練り歩く。
私たちもそのプランだ。
射的にかき氷、チョコバナナにフランクフルト。
沢山の屋台を回った。
「そろそろ本堂行きますかー。」
駒谷がそう提案した頃にはもう辺りはすっかり暗くなっていた。
提灯の明かりだけがゆらゆらと揺れていて、とても綺麗だ。
「綺麗…。」
私はただただお祭りの雰囲気に酔いしれていた。
ちょこん、と未来に握られた高坂の裾にも気づかずに。

