____夏祭り前日、自室にて
私はせかせかとメールしていた。
お相手は優愛。
『お祭りってさ、やっぱ浴衣で行くもんかな?』
前日にもなって、服装で焦る焦る。
友達同士だったら適当な私服で行くけど、
頭によぎるは高坂の顔。
あんなことがあっても高坂をまだ好きでいたいと思う自分は、我ながら一途だと思う。
ピロリン
点滅するスマホのランプ。
『もち浴衣だよー>▽<♪
ちょっとでもキリトに可愛いって思われたいもん!!!!』
マジか。
「やっぱり浴衣かぁー。」
私は落胆していた。
色恋には無縁だった私が浴衣なんて持っているはずがない。
未来にも聞こうと思ったがやめた。
浴衣だなんて言われたら、行く気失せるし。
ネットの掲示板やらSNSサイトやらを見てみたが、やはり浴衣と私服ではかなり印象が違うらしい。
サイトを見てはため息ばかり。
今から買いに行くにしてもなぁ。
時計に目をやると、21:08。
はい無理。
なぜ今まで何も考えなかったのか。
自分をひたすら責めた。
「未来が私服で来ますように。」
ただそう願うことしか出来なかった。

