身代わり彼女、はじめました。【更新中】

「あ、コンビニ寄りたい。」

唐突に高坂が口を開いた。

「え?あ、うん良いよ。」

「寄り道って良いよね。なんか高校生やってますって感じ。」

高坂が楽しそうに隣で笑う。

寄り道。

その響きが私の心をくすぐった。

『らっしゃいませー。』

やって来たのは近所のこじんまりとした目立たないコンビニ。

平日の昼間の微妙な時間帯とあってか、客も少ない。

「新作プリンだって。俺これにするわ。」

そう言って無邪気にプリンをカゴに入れる高坂。

なぜかそのなんでもない仕草を目で追っていた。

「お前は?」

「えっ、」

「えっ、て。りんちゃんは何食べたいのー?」

わざとらしく、馬鹿にしたように高坂が聞く。

「りんちゃんって!」

バカ!

そんなこといきなり、照れるわ!

ただ名前を呼ばれただけなのに、体が火照るのがわかる。

「りんちゃん顔真っ赤ですよー?」

ぐいっ、と楽しそうに覗きこむ高坂。

眼鏡越しに見つめあう瞳と瞳。

実質ほんの数秒。

だけどそれは、私にとっては永遠で。

でも、

__ふと、私は気づいてしまった。

高坂の目は、全く笑ってないことに。