身代わり彼女、はじめました。【更新中】

未来は誇らしげにそう言った。

嬉しそうに高坂に視線を向けたのを、私は見逃さなかった。

「夏祭りかー。恥ずかしながら予定なかったわー。」

「俺も。夏祭り自体久しぶりだな。」

男子二人は来れる様だ。

りんちゃんも来れる?と未来が聞いた。

私は無言で軽くうなずいた。

「やった、みんな来れるね!えっと、詳しい事は追い追い言う!今日はそれだけ。みんな集まってくれてありがとね。」

未来の解散。という一言で各々バッグを手に取る。

「未来ちゃん、一緒に帰ろうや。」

「え?うん、いいよ!」

未来は一瞬の迷いを見せたが、神原の誘いを受け入れた。

ナイス、神原。

心の中でそう思ってしまう自分がどうしようもなく思えた。

さて、私も帰るか。

そう思った時、

「おい、藤咲。」

後ろから私を呼び止める声。

「一緒に帰ろう。」

どくん、

「えっ…。」

「嫌?」

「そんなことない!一緒に…帰る。」

どうして?

優愛が居るから、一緒に帰っちゃいけないんじゃないの?

もしかして、私のこと__

ないない。

あるわけが無いんだ、そんなこと。

でもどうして?

私の中でぐるぐると渦巻く喜びと疑問。

「藤咲?」

彼の声ではっ、とする。

不思議そうに私を見つめる高坂。

手を伸ばせば触れられる距離。

だけど、その距離はどうしても縮められなくて。

「ほら、早くしろよ。」

クスリと笑った高坂が私を置いて歩き出す。

待って。

「こら、置いてくな!」

色んなものに引き裂かれる。

届きそうなのに。

パタパタと駆け寄る私。

自然と一定の速度で隣を歩く。

いつまでも、こうしてふたりで居れたら

どんなに良いことか。