____終業式、講堂にて

むんむんと熱気の漂う講堂の中、教頭が一学期の終了を告げる。

ぎゅうぎゅうに詰め込まれた状態の中で、次々と話が一方通行で流れる。

「えー、夏休みに入るにあたって……」

校長の説教じみた話など、当然右から左。

私の頭の中は、一通のメールの事でいっぱいだった。

『終業式&LHL終了後、中庭に集合!


一斉送信で送られてきた未来からのメール。

その送信先は、私、知らないメールアドレス、

高坂。

なぜ未来が招集をかけたのかはわからない。

でも、私の心の中は不安で揺れていた。

何度も画面上の未来と高坂の名前を見比べてはため息を漏らす。

思い出す、未来の幸せそうな顔。

私は引き立て役。

好きなのに、好きと思っちゃ駄目なんだ。

苦しい。

どこかでまだ自分の気持ちを押し殺してしまう。

どうせ私なんて。

胸の奥がきつく絞まるのを感じながら、ぼーっと立つこと30分。

「以上で終業式を終了致します。」

壇上の教頭が、高らかに式の終わりを告げた。