「うわっ、これ美味しいね」 麗華の上げた声に怜士の思考が戻る。 目を真ん丸にしているのに、口元が緩んだ。 「よかった」 「今泉のところで雇っているシェフなの?」 「いや、レストランを開いているが、今日は特別にそこで作ってもらっている」 キッチンがある方向の壁を指す。 「あなたが望むなら、毎日食べられるように手配するけど?」 「は?」 「なんでもない」 この手の話をするにはまだ早い。