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世界的に有名なクリスマスツリーの点火祭を見ながら、人生初めて点火祭に参加した時のことを思いだす。
用意されていた席で、怜士はその有名なツリーの冠名を姓に持つ女性と一緒だった。
この間はファッション界の重鎮の娘。
その前は世界一といわれる投資家の姪。
あの男と一緒にいる場で、同席した相手が、怜士とゴシップになった相手との真相を確かめるような話題を振る時が
ある。
結婚する相手によって、ダバリードの方向性がわかり、経済情勢が変わるかもしれないのだから当然だろう。
しかし決まってあの男は無言で冷笑した。
その意味はとりかねた。
数多くの相手は全て、怜士にとって遊び相手にすぎないのに、そんなことを聞いてくることの冷笑か。
それとも。
見抜かれているのだろうか。

