「美和の今までの不誠実さの罰じゃない?」
「そうやって人のことを言っていると、麗華にだって自分に返ってくるんだからなあ」
「ないない」
ぶんぶんと手を振る。
何がないんだよ、と美和は突っ込もうとした。
でも確かに無い。
高等部の時、1年だけ美和が驚くほど怜士と仲が良かったきり、麗華に浮いた噂を聞かなかった。
その男はクラス替えの後、金髪美人の留学生が来た途端、乗り換えた。
陰で麗華が捨てられたと、しばらく噂になって、その後も、悪意の噂はいくつも聞いたけど。
大抵は麗華を落とせなかった腹いせと同性の嫉妬だ。
麗華の耳にも入っているのだろうけど、もはや慣れっこで流していた。

