「でも、そろそろいい踏ん切りだと思うけどね」 打って変わって静かな声を出す。 「うん。 そうだよね。 ヒロ兄、結婚しそうにないから、落ちなくても、私がなんとかしないと」 「家って。 意外と大変だ」 雛のことで両親ともめている美和は、心情こもった声でぽつりと呟く。 麗華はクククと意地悪く笑った。