忘れるべきか。 自問すれば答えは決まっている。 若き日の甘美な思い出にすべきだ。 眼下に広がる、木々の緑色を見つめる。 葉に光が当たり、きらきらと反射していた。 色づき始める前の最後の輝き。 ふと、佐和の家で聞いた曲が蘇る。 smile 彼女は笑っているだろうか。 あの頃のように。 屈託無く。 それが願いなのだから。 彼女に対して。 ずっと変わらずの・・・。 唯一、変わらぬ、想いなのだから。