「へえー」 「へえ、だよね。 一年間、教育採用試験用の塾に通っても、受かる自信ないし、そこに行くよ」 「ふうん」 美和は珍しく低い声を出した。 「そこまで離れるの、初めてだな」 「そうだね」 美和は突如、麗華を抱きしめた。 「頑張ってこいよ~」 「って、痛いって。 力いっぱい抱きしめないでよ」 麗華を離すと、楽しそうにからからと笑っている。 美和ながらの励まし方だったらしい。