「シンデレラのワルツ?」 クラシックに明るい綺樹(あやな)は呟いた。 綺樹(あやな)は、さやかと同い年だが、麗華の叔母だ。 ウルゴイティは今、彼女を取り込もうとしている。 そんなことはさせない。 彼女はダバリードのものだ。 さやかは少し外れてしまった思考を戻した。 「父との思い出の曲らしいわ」 さやかはそっけなく答える。 「麗華さん、かわいい人だったもんね」 「そう。 外見に似合わずね」 綺樹が息を吐くように笑っている。