* フレッドはそろそろ退社する旨を告げようと、執務室に入った。 「何か問題でも?」 彼のボスが片手に携帯を握りしめたまま、もう片手で顔を覆っている。 話しかけられて怜士は目を開け、椅子に預けていた上体を起こした。 「いや」 携帯をデスクに置いて、サインの終わっている書類をフレッドへ差し出す。 「今日は帰っていい。 お疲れ」 「はい」 フレッドが何も聞かずに出て行くと、怜士はため息をついた。