「そうだ、おいしいイタリアンをみつけたんだ。
 寄ってっていい?
 今日、家に帰っても夕食がないんだよねえ」
「いいよ」


家に帰ったら落ち込む一方だ。


美和と一緒の夕食なら気がまぎれる。


食欲は無いが。


美和がわざわざ誘ってくれたことはわかっていた。


この幼馴染は優しい。


まあ、女の子にはみんな優しいんだけど。