「ちょっと具合悪くって、ホテルで寝てる」
「ついてあげればいいのに」
「いや、そうもいかない。
その繊維、しっかり売り込まないといけないから」
美和は麗華の着ているドレスを指差した。
美和の会社で開発した繊維で作ったドレス。
売り上げが伸びれば、雛との結婚を両親が認めてくれてくれることになっていた。
「そうだよね」
麗華は改めて背筋を伸ばした。
このパーティは美和とギブアンドテイクだった。
麗華はパーティーに参加したく、美和に手を売ってもらっていた。
その代わりドレスを着て、繊維の素晴らしさを宣伝する。

