「かしこまりました」 怜士の口調から何も言わずにケビンは下がった。 「しかし誰からなんでしょうね」 ケビンが執務室に入っていた後、フレッドは呟いた。 写真の入っていた本当の茶封筒には、流れるような筆記体で“優秀たる秘書たちへ”とのみ書かれていた。 女性の手と思われる。 でも香ってくる香水はエゴイスト。 男性ものだ。 送ってきたのは男なのか女なのか。 “優秀たる秘書たちへ”という持って回った言葉づかいに、皮肉を感じるのは自分だけだろうか。