怜士は無言のまま写真を封筒へ戻して、机の端に放った。 マウスに手を戻して、書類に再び目を通し始める。 下がれとも言われないし、雰囲気でも無いのに、ケビンはそのまま怜士の傍らに立ち続けていた。 「で? 調べはついているんだろう?」 ややして怜士は静かな声を出した。 「はい。 相手の男はモデルで、雑誌で共演した後、猛烈にアタックしているとか。 父親が外交官だとかで、宮内家と昔から付き合いがあるそうです」 「ふうん」 気のない返事をするが、頭の中は急回転しているのだろう。