「・・まあ、気持ちはわかる。 それに関しては、甘やかした私にも責任がある」 「えっと?」 「なんとか、時間稼ぎはするけど。 でもタイミングは重要だ。 上手くいくものも上手くいかなくなる。 おまえのやろうとしている事の目鼻がついたら、すぐに行動しろ。 あまり時間をおくな。 時間は」 一枝が珍しく言いよどんだ。 「おまえだけは後悔するな」 「え?」 意表のつく一言に聞き返したが、電話はもう切れていた。