「へっ?
いや、だってさあ。
う~ん、色々考えるよ。
ダバリードだから。
私、英語がからっきしだし。
社交界とか。
どんだけ陰口言われるかと思うと」
「ああ、大変だろうな」
あっさりと答えた。
「でもあの男がいるだろう?
あの男はおまえには何かと手を尽くす。
丸投げするとも、ほおって置くとも思えない。
踏み出してみて駄目ならば、しょうがない。
やらずに、死ぬ前まで“あの時に”と後悔しながら生きるのとどっちがいい?」
「そういういい方されると、そりゃあ・・。
一枝さんが言いたいこと、わかってるよ。
だけど、こんなんでは行けない。
もうちょっと“私”を頑張りたいんだ」
「ああ、そう」
一枝がふうっと息を吐いた。

