* “見送りはいらない” 強い口調を思い出す。 その度にずんと落ち込む。 そうだよな。 流石にあきらめるよな。 自分の態度を振り返って改めて思う。 「おまえ、なにやってるの?」 スマホに出たら、開口一番だった。 「おお! 一枝さん? 元気だった?」 「なにを躊躇したの? あの男のことを好きなんだろう?」 一枝は麗華の質問を無視して続けた。