“おまえは私に似ている” あの時の言葉はそういう意味か。 二人がどう出会ったか知らない。 “なかなかいい女だった。 骨があった。” それはそうだろう。 婚約者がいながら、駆け落ちをして海を渡ったのだから。 その当時、まだあの男はそんなに地位は高くなかったはずだ。 アフリカで上手く宝石を掘り出し、それをさばく。 その世界で名が通っていたぐらいだ。 そんな外人の男が、由緒正しき君塚家に正式な方法はとれまい。